およそ2年ぶりの開催となった宅録ミュージシャンたちの祭典
「宅録博08」。3回目となった今回は、6名の出場者が参加。弾き語りから、ノイズ、ブレイクコアまでと、一口に"宅録"と言ってもそれぞれが作り出すサウンドはまさに十色、言葉の持つ意味の幅広さを感じる。
一人目の発表者は1回目、2回目にも参加している
「NB」。今までは打ち込みのバキバキのテクノサウンドを発表していたが、今回は宅録は宅録でも"録画"の方、というある意味反則技を駆使。ドキュメント的に、姪っ子がお母さんへの感謝を企画するのをカメラで追い、クライマックスは本当にステージで子供たちがお母さんに感謝のメッセージを読み上げると言うもの。
前回も映像を使った作品だったとはいえ、この発想はなかった。ある意味現代アートみたいにも思えた。まあ、ゆるいし、反則技だけどね。でも、ふつうにちょっと感動。
NB(左)/YMTSDK(右)
続いては今回が初ステージ、大分で「初めてブレイクコアを演奏するのでは?」と自負する
「YMTSDK」。PCとサンプラーを使い、ダークでサイキックなブレイクコア/エレクトロニカの世界を体現する。リズムにあわせ体を揺らし、MIDIコントローラーをその場で操作することにより、ライブ感をより増幅させていた。やりたいことを形に出来ていたと思う。
3組目も今回が初ステージという
「Mono-One」。まずは録音した音源を会場に流してから、ギター1本でステージへ。ディレイ深めのユラユラとしたエレクトロニカ的世界を演奏。終わった後のインタビューでジェフ・べック、ポール・コゾフなどが好きだと言うのは意外でした。
Mono-One(左)/Microtone(右)
1回目にも登場した
「Microtone」。今回は打ち込みしたMTRの音源に合わせて歌を歌うと言うスタイル。キーボード主体のバックに合わせて歌われる歌はアイドルポップとでも言いたくなるような正統派のポップソングの数々。椅子にちょこんと座り、フェーダーをちょっとずつ調整しながら、マイクを抱え切々とでも堂々と歌う姿からは目が離せない。
MC、インタビューでは宅録のススメと言った感じで、我々にもその魅力を語ってくれた。
ギターアンプ2台に多数のエフェクター類。テンガロンハット姿でゆらゆらと揺れながらノイズを紡ぎ出すのは
「MerzBOB(仮)」。その音楽は時折ガッと切り込んでくる所はあるものの、基本的には穏やかなアンビエントノイズと言ったところ。ミニレコーダーに録音した生活音などを、ギターのピックアップから拾わせるなど、とにかくデジタルなものを使わずアナログなやり方でどれだけ出来るかということをテーマにしているとのこと。即興でゆるやかにハーシュ的な世界を作る。
MerzBOB(仮)(左)/youichi okuda(右)
ラストは
「youichi okuda」。自ら録音した音源をもとに遠方にもツアーに行っていると言う。音源では音響的な処理がより感じられるが、今回はよりネイキッドな弾き語りで勝負。魂あふれる言葉を、とにかくデカイ声でぶつけてくる。エモ弾き語りと言った感じ。大きな体でアクションを交えながらの熱い演奏だった。
弾き語り、打ち込み、ポップソング、即興、、、その裾野の広さを感じたイベントであった、
"宅録"の持つ魅力が少しでも伝わるイベントであったら幸いです。
12/21(日)夜
Microtone:
http://microtone.blog94.fc2.com/YMTDSK:
http://www.myspace.com/ymtdsk2youichi okuda:
http://www.myspace.com/youichiokuda
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